風俗に向いている人、向いていない人はいるのか。先に、3人の先輩の答えをまとめます。

向き不向きを分けたのは、見た目よりも、①体力 ②嫌な言葉を聞き流す力 ③見えないところでの努力、の3つでした。 3人とも、楽な仕事だとは書いていません。

楽して稼げる?——体力がいる仕事だった

デリヘルで働いたさぁやさんは、21歳のとき、こんな気持ちで入ったと書いています。

「楽してお金がほしい!という甘い気持ちで風俗業に足を踏み入れました」

ところが、実際は違いました。

「男性の体を念入りに洗ってあげるのって、体力が必要です」

1日に3回呼ばれると、本当にくたくたになったそうです。それでも、疲れを見せるわけにはいきません。チェンジされると、まったくお金にならないからです。

「それでも必死に疲れを感じさせないように接しないといけません」

さぁやさんのお店は、料金の半分がお店、半分が自分という仕組みでした。1万円のコースなら、手元に残るのは5千円。1日に3回呼ばれて1万5千円です(お店によって違う、とさぁやさん自身も書いています)。そして、1本も呼ばれない日もありました。

「他の人はどんどん指名が入るのに、自分だけ指名が入らないのもかなりつらかった時間です」

働いたのは4か月ほど。振り返って、さぁやさんはこう書いています。

「働いてみた感想としては、最初の自分の考えは本当に甘かった」「ダイエットはしていないのにこの仕事だけで6キロ落ちたことを覚えています」

嫌なことを言われても、聞き流せるか

店舗型ヘルスで長く働いたほのかさんは、いちばん大切なのは容姿でも年齢でもない、と書いています。

「きっと一番大切なのは何よりもスルースキル、聞き流す力」

お客さんの中には、「好きな事でお金もらえていいね」のように、言いたい放題の人もいます。長い年数この業界で働いても、「エッチが好きだからこの仕事を始めた」という女の子には一度も出会わなかった、とほのかさんは書いています。それでも、プレイ中にそう言われる。

そこで言い返せば、雰囲気は壊れ、クレームが続けばお店での信用もなくなります。ほのかさんのやり方は、否定も肯定もせず、笑顔で流すこと。

「頭の中でひたすら夜ご飯の献立を考えていました」

そして、無理に「エッチな事大好きだよ」と言う必要はない、とも書いています。

「無理はダメです、続きません」

注意

聞き流すのと、我慢しすぎるのは違います。 侮辱の言葉は流せても、体に危ないことをされたら話は別です。

ソープで働いたsato.a.さんは、プレイ中に首を絞められて気を失ったことがある、と書いています。危ないと感じたら、プレイを止めてお店に連絡してください。 あとから体調がおかしいときは病院へ。対処の仕方はプレイ中に危険な目に遭うことはある?にあります。

見た目より中身?——高級店でいちばん指名が取れた話

ほのかさんは、一度だけ高級店で働いたことがあります。自分は「十人並の顔」で、受かったのが奇跡だと思ったそうです。ところが——

「それでも今まで働いたお店の中で一番指名数が増え、自分でも不思議に思いました」

理由は、お客さんのアンケートにありました。「一生懸命してくれた」「優しくしてくれた」「恋人みたいで癒された」。お給料が中級店の倍近いからと、いつもより気合いを入れて働いた結果でした。

ほのかさんの答えは、こうです。

「風俗嬢にむいているのは嫌な言葉も聞き流せ、せめてそのお客さんとの数十分数時間を笑顔で乗り切れる女の子です」

指名を返すための、見えない努力

ソープで働いたsato.a.さんは、もっとはっきり書いています。

「脱ぐだけではお金になりません」

接客の仕方や、指名を返す方法は、誰も教えてくれなかったそうです。お客さんと話が合うように、新聞で時事問題を追い、興味のないギャンブルの言葉を覚え、出張で来るお客さんのために各地の名物や観光地まで調べました。通ってくれるお客さんが増えると、衣装やお客さん好みの下着をそろえる出費もかかります。

その結果、100人近く在籍するお店で、売れっ子のトップ10に入りました。忙しい日は休憩もなく、「途中で気絶することもありました」。それでも、こう書いています。

「頑張れば頑張っただけ数値化され結果が分かりやすく出るためにとてもやりがいがあり、充実した毎日でした」

反対に、努力をしなければどうなるか。sato.a.さんの答えは、「結果として普通のOLよりも月収が低くなります」でした。

まとめ:向いてないと感じたら

3人の先輩の話を並べると、向いている人の条件は、こうなります。

  • 体力:1日に何人も接客しても、疲れを見せずにいられる
  • 聞き流す力:嫌な言葉を、笑顔で流せる(ただし、危ないことは我慢しない)
  • 見えない努力:指名を返すための準備を、お店の外でも続けられる

裏を返せば、どれかが「無理だ」と思うなら、無理をしなくていい、ということです。sato.a.さんも、最後にこう書いています。

「ただ一言、風俗嬢は楽じゃない!」