辞め方の結論を先に言います。準備は2つ。「普通の金銭感覚」に慣れ直してから辞めること。そして、お客様の連絡先を整理してから辞めること。
この2つを何も意識せずに辞めた先輩・ぺぺこさんは、一度退店したあと、風俗に出戻りました。
「辞めたい」と思うことは、悪いことでも裏切りでもありません。ただ、辞め方には準備がいる——出戻ったからこそ分かったことを、彼女の言葉で残します。
出戻った私だから言えること
風俗店で働く女性の多くは、やりたいことや夢のため、目標貯金額、借金や支払いなど、何か事情があって働き始めています。
「働きたい!」と最初から強く願って入る人は少ない。将来の夢=風俗嬢という人は、ほとんどいないと思います。
私もそれほど大層な事情ではないものの、一応事情があってデリヘルで働き始めました。そして知らないうちにはまっていったのが、報酬の高さ——お金の魔力です。
実家では一般家庭くらいの生活をさせてもらっていて、お金に執着したことはありませんでした。デリヘルで働いてもそうなるとは思っていなかった。
でも、何も考えずに辞めた結果、お金の魔力から抜けきれていないことにも気づかず、「あの時の報酬を、あの感覚をもう一度」と思ってしまい、出戻ったのです。
お金の魔力の正体は「日払い・手渡し」
デリヘルは日給で歩合制。日によって収入に差があり不安定ですが、ときどきすごく稼げる日があります。学歴や頭脳より、体力と気遣いを駆使して稼ぐ仕事です。
そして他の業種と決定的に違うのは、その日の頑張りを、その日のうちに現金で受け取れること。
昼職や水商売の多くはお給料日が一か月後ですが、風俗はお仕事終了後には手取り分が手元にあります。
手渡しの現金を毎回目にすることで、お金の魅力に取りつかれやすくなるんだな……と、辞めた今なら思えます。
準備その1:辞める前から「普通の金銭感覚」に慣れておく
急に辞めて風俗をあがる女性は、比較的少ないと感じます。
目標額を決めているならなおさら、「そろそろ達成だからいつ辞めようかな」とぼんやり考えてから日程を決めるのが多いのではないでしょうか。
その「辞める日を考え出したとき」がスタートです。稼げていた感覚のまま辞めても、きっと出戻ります。私がそうでした。
ちょっといいものを買っても「また出勤すれば取り戻せる」と思えてしまう。勤務中はそれでもいい。でも、辞めてもそのままでいては破産します。
私が実際にやったのは、この3つです。
- スーパーで買う癖をつける
- 用もなくコンビニに入らない
- コスメや欲しいものは、リサーチしてから買いに行く
本当に小さなことですが、回数を重ねることで慣れていきます。
ちなみに勤務中の私は、用がなくてもとりあえずコンビニ、とりあえずデパートに行って一目ぼれ購入——という調子で、散財することがストレス発散になっていました。心当たりのある人、多いんじゃないでしょうか。
ぺぺこさんの実感では、風俗を辞めたあとに同じ水準で稼げる昼職は「ほとんどなかった」とのこと。収入が下がる前提で生活を組み直しておくことが、出戻らないための土台になります。
準備その2:お客様の連絡先を整理しておく
勤務歴が長くなると、気の合うお客様と連絡先を交換することもあるでしょう。移籍のとき本指名として連れて行きたい、という理由もあります。
交換しているなら、辞める前に営業をしたほうがいいです。整理の基準はシンプルでした。
「最後だから」と言って来てくれる方を、連絡先に残す候補にする。 逆に、自分に好意がなく「最後なんだ」と言っても来てくれないお客様の連絡先は、取っておくメリットを感じません。
無償のボランティア店外に誘われる気しかしないからです。
なぜ整理が必要か。お客様側からすれば、お店を辞める=お店を通す必要がなくなるわけで、「気軽に誘いやすくなった!」と感じる方も多いからです。
苦手なお客様からの「飲みに行こう」「食事行こう」を何度も断るのは、想像以上に疲れます。
私はキャバクラを辞めたとき、仕事用の携帯を持っていたのに整理をしないまま円満退店しました。
案の定、お誘いの連絡がとても増え、断ること自体が面倒になって、最終的に仕事用携帯を解約しました。
もちろんお世話になった方にはプライベートの連絡先を伝えて、その後もお付き合いがありました。
もうお店の女の子ではないのだから、お客様を大いに選ぶ権利があります。 辞めたあとの自分が疲れないための整理です。風俗をあがらなくても、他店に移籍するときにも役立ちます。
なお、私はキャバクラを辞める流れでパパが見つかり、仕事量が減ったのに収入があまり変わらない時期もありました。
ただ正直に言うと、そのせいで金銭感覚はますます一般から離れていきました。準備その1と真逆の方向に進む道でもある、ということは書き添えておきます。
そもそも「交換しない」という選択肢
デリヘル時代の私は「連絡先は誰にも教えない」とお客様にも明言していました。だから辞めるとき、整理は何も必要なく、本当に楽でした。
「恩があるから……」と悩まなくていい。休みの日に連絡も来ない。
その分「仕事中は連絡先を交換しない分、楽しんでもらおう」と素直に思えて、オンとオフがはっきりしました。
ただし、交換しないことが必ずいいとは言い切れません。その女性のキャラクターや接客次第で、連絡先交換が人気につながることもあります。
お店によっては交換を禁止しているところも、逆に姫予約のような仕組みで推進しているところもあるようです。自分の働き方に合わせて決めてください。
まとめ:出口の準備は、辞めたいと思ったその日から
円満退店の準備は2つ。①金銭感覚を「普通」に戻す練習を、辞める前から始める。②お客様の連絡先を、自分の基準で整理しておく。
どちらも小さなことの積み重ねで、辞める日を考え始めた日がはじめどきです。
私は何も意識せずに辞めて、我慢せず買い物ができた生活が恋しくなり、出戻りを何度も考え、実際に出戻りました。
「あの時の収入なら簡単に買えるのに」と何度思ったか数えきれません。だからこそ、これから辞めるあなたには、準備をしてから出口をくぐってほしいのです。