先に結論を置きます。繁華街で声をかけて風俗のお仕事を勧める「路上スカウト」は、条例で禁止されている地域があります。そして2025年6月28日からは、性風俗店がスカウトに紹介料を払うこと(スカウトバック)も、法律で禁止になりました。

スカウトに頼らなくても、お店は自分で選べます。この記事では、スカウトの紹介で働き始めた先輩・ひろのさんの体験と、今のルールを並べて見ていきます。

スカウトバックとは?2025年から何が変わった?

スカウトバックは、スカウトが女の子をお店に紹介したとき、お店からスカウトに払われる紹介料のことです。

2025年6月28日に施行された改正風営法で、これが変わりました。神奈川県警察の案内には、次のように書かれています。

ポイント

性風俗店を営む者が、スカウトなどから求職者の紹介を受けたときに、紹介料を払うこと(いわゆるスカウトバック)を禁止(罰則あり)

同じ改正では、ホストクラブなどのお店が、脅したり誘惑したりして、料金を払わせるために売春や性風俗店での勤務を求めることも禁止されました。売掛(ツケ)を返すために風俗で働くよう言われている——そんなときは、ひとりで抱えずに無料で相談できる公的な窓口を頼ってください。

路上のスカウトは違法?

禁止されている地域があります。 たとえば東京都新宿区は、条例で次の行為を禁止しています。

  • 通行人の中から相手を決めて、キャバクラ・ファッションヘルスでの勤務や、アダルトビデオへの出演などを勧めること
  • そのために、道で相手を待つこと(うろつく・たたずむ・たむろする)

新宿区の案内によると、しつこいスカウトは、東京都の迷惑防止条例や風営法でも規制されています。ほかの自治体にも、同じような条例があります。

禁止されているのは、声をかける側の行為です。声をかけられたあなたが、何か悪いことをしたわけではありません。

先輩の頃のスカウトは、どんなものだった?

ひろのさんは、スカウト(キャッチ)に声をかけられて、ホテヘルで働き始めました。スカウトから働き始めるまでの流れは「店の条件を出し、面接を受け、体験を一回受け、実際に働くと言う経緯です」。

当時は、今よりずっと声をかけられやすかったそうです。

「まだまだキャッチに条例が緩かった時にはよく声を掛けられました」

スカウトと一緒に、道を歩く女の子を眺めていたこともありました。スカウトは見た目で、声をかける相手をはっきり選んでいたそうです。

「一緒にいた時に女の子なら誰でもいい訳ではないんだなと思いました」

そして、こんなことも書いています。

「不思議と実際に風俗嬢をしている時の方がよく声を掛けられたなと思います」

スカウトは、お店に紹介して働いてくれそうな人を探していた——当時、そこには紹介料というお金の流れがありました。

スカウトに任せると、何が困る?

ひろのさんは原稿で、最初はスカウトに紹介してもらうほうがいい、とも書いていました。「どの店がいいかなんて素人ではわからないし」という理由です。

ただ、同じ原稿の中で、こうも書いています。

「自分が稼いだ分相手にも入っているかもしれませんから」

ひろのさんは、実際に入っていたかは確かめていない、と書き添えています。女の子の紹介で、お店からスカウトにお金が流れる——それがスカウトバックでした。スカウトの得とあなたの得は、同じとは限りません。 スカウトにとって大事なのは「紹介して、働いてもらうこと」で、そのお店があなたに合うかどうかではないからです。

スカウトに声をかけられたら——断り方

  • 立ち止まらなくて大丈夫。「大丈夫です」とだけ言って、そのまま歩き続けてください
  • 連絡先・本名・写真は渡さない。一度渡すと、取り戻せません
  • しつこくつきまとわれたら、近くのお店や交番に入る。困ったときの警察への相談は「#9110」、身の危険を感じたら迷わず110番です

断ったことで、あとから何かされるのではと不安になったら、それも相談していいことです。夜のお仕事の相談を専門にしている窓口は、無料で相談できる公的な窓口まとめに載せています。

お店は、自分で選べる

ひろのさんの原稿には、こんな言葉もあります。

「スカウトマンが嫌なら、わざわざその人の紹介で働く必要はありません」

今なら、なおさらです。紹介してもらう必要は、もうほとんどありません。 求人サイトでお店を比べて、自分で面接に行けば、それで働き始められます。

自分で選ぶときに、先輩たちが気を付けていたことは、ほかの記事にあります。