先に、この記事でいちばん大事なことを言います。性感染症は「かからない工夫」と「早く見つける仕組み」の両方で守るもの。そして少しでも異変を感じたら、痛みや痒みがなくても婦人科へ。
夜職で働くなら、性感染症はいつなってもおかしくない——これが、実際に複数の感染を経験した先輩・上原凛子さんの覚悟の言葉です。
怖がらせたいのではありません。どんな病気か知っていれば、早く気づけて、ちゃんと治せる。
この記事では凛子さんが実際に経験した病気の「リアルな症状」と、一度ももらわなかった先輩・ぺぺこさんの「現場の予防知恵」を、両方お届けします。
クラミジア——凛子さんは「無症状のまま」陽性でした
性器クラミジアは、夜職に限らずよく知られた性感染症です。潜伏期間は1〜3週間と言われ、あまり症状が出ません。進行するとオリモノが増えたり、不正出血が起こったりすることがあります。
凛子さんが感染したときは、まったく症状がありませんでした。郵送タイプの検査キットで陽性反応が出て、初めて気づいたそうです。
性器だけでなく喉にも感染し(オーラルで感染します)、喉の場合は風邪のような症状が出ることもあります。
「症状がないから大丈夫」が一番通用しないのがクラミジアです。気づく手段は定期検査だけ——凛子さんの実体験がそのまま証明しています。
淋病——女性は気づきにくい
淋病も感染リスクの高い病気です。男性は尿道の痛みなどはっきりした自覚症状が出やすいのに対し、女性は症状があまり出ず、気づきにくいと言われています。
クラミジア同様、性器と喉の両方に感染します。喉の淋病は、喉の痛みや腫れ、咳といった風邪のような症状。
喉のクラミジアと症状がよく似ているので、喉の異常を感じたら両方の可能性を考えて検査を受けましょう。
性器ヘルペス——「見えたら絶対に触れない」
性器や唇の周辺に、赤茶色の水ぶくれができる病気です。一度感染するとウイルスは体に残り、再発しやすいのが特徴です。
凛子さん自身は感染していませんが、症状が出ている状態で遊びに来たお客さんに接客直前で気づいた経験があります。
「症状は一目瞭然でした。オーラルでも感染するので、絶対に触れてはいけません。事情を説明して、サービスをお断りしましょう」——これが先輩の判断です。あなたにも断る権利があります。
性器周辺はアンダーヘアの処理などで炎症も起きやすい場所。「ニキビかな」と安易に考えず、水ぶくれを見つけたら受診が鉄則です。
カンジダ——夜職でなくてもなる、でも一番身近
カンジダ菌はもともと体にいる常在菌で、性行為の有無に関係なく、疲れや生理前など免疫が下がったときに誰でも発症しうる病気です。
凛子さんは複数回経験しています。「かなり痒いです。掻きむしらずにいられませんでした。オリモノはカッテージチーズのようにボロボロした状態で、下着にべったり付きます」。
治療は膣剤で、凛子さんの場合は使い始めてすぐに症状が引いたそうです。
「不快な症状を抱えたまま悩むより、速やかに受診してください」。
ケジラミ——不快だけど、対処ははっきりしている
凛子さんの実体験の中でも「非常に不快だった」というのがケジラミです。
肉眼で分かるサイズの虫がアンダーヘアに付く病気で、凛子さんの場合は痒みがなく、目視で発見しました(一般的には強い痒みが出ると言われています)。
先輩の対処は明快でした——感染部の毛をすべて剃る。専用シャンプーも市販されていますが、卵には効きにくく治療が長引きがちなので、剃毛が手っ取り早かったそうです。
かからないために——一度ももらわなかったぺぺこさんの現場知恵
同じデリヘルで働いて、一度も性病をもらわなかった先輩もいます。ぺぺこさんの守り方の核心は2つでした。
① 月1回、症状がなくても実費で検査。 異変を感じても感じなくても、必ず婦人科で検査していました。
「本番する・しないは、うつる・うつらないには関係ありません。サービスで粘膜同士が触れる以上、完全に防ぐことはできない」——だから発見の仕組みで守る、という考え方です。
② お客さんの「シャワー入ったから」を信じない。 「先に入ったから俺はいいや」と言うお客さんには特に注意していました。
「私服を着ていて『先に入ったから一人で入ってきて』は、八割嘘です」。
ぺぺこさんは「一緒に入りたいな」と可愛く誘って必ず一緒にシャワーへ行き、さりげなく浴室が濡れているかまで確認していたそうです。
断りにくいお願いほど、「お願い」の形にして通す——シャワーの一件は、身を守る技術と接客の技術が同じものだという良い例です。
検査は「必要経費」——先輩たちの結論
凛子さんの言葉をそのまま置きます。「性病検査は8,000円くらいからかかります。高いです。でも、放置すれば慢性化や、将来の妊娠への影響もありえます。性病検査は風俗嬢の必要経費。そして、かかりつけの婦人科を持ってください。すぐ相談できる専門家がいると、本当に心強いです」。