結論から言います。日払いの気持ちよさは、そのまま「貯まらない仕組み」にもなります。

その日の頑張りがその日のうちに現金で返ってくるからこそ、油断すると財布のひもはあっという間に緩む。

今回は、意識して貯金を続け不動産投資まで到達した先輩・ひろのさんの実例と、日払いの心地よさに流されて卒業時には手元にほとんど残らなかった、別の先輩・ほのかさんの実例を並べます。

差がついた理由は、才能でも運でもなく「取り分ける仕組みを先に作っていたかどうか」でした。

時給に換算すると8000円という数字の魔力

ひろのさんが最初に気づいたのは、時給換算の高さでした。コンビニのレジが時給900円だとすると、ほぼ10倍。

「簡単にお金を稼げる」という印象を持ちやすい仕事だと振り返っています。

ただ実際にやってみると精神的なきつさもあり、そのきつさを晴らすように豪遊したり高価な買い物をしたりしがちになる、稼ぐ金額に感覚がマヒしていく――そうした落とし穴があることも、当時から感じていたそうです。

週1〜2回、日給8000〜16000円をほとんど貯金に回した理由

ひろのさんは昼間は会社員として8時間労働、手取り23万円。風俗は週に1〜2回、一日8000円から16000円という当時の実例です。

お酒を飲めないこともあり、憂さ晴らしに飲みに行くこともなく、あぶく銭だという意識から欲しいものも少し考えてから買うようにしていました。

結果として、稼いだお金の大半を貯金に回せていたと言います。

「使う予定がないなら1000万円貯めてみたら」

特に目的があって始めたわけではなかったものの、知り合いの不動産屋に「使う予定がないなら取り合えず1000万円貯めてみたら」と言われたのがきっかけで、目標を持って貯め始めました。

ある程度貯まったところで本業の給料と合わせて不動産投資を実行。その投資のおかげで、今でも月8万円ほどの収入があるそうです。

現在は日中の仕事をフルに入れ、本業の手取り26万円に不動産収入8万円を合わせて生活しているとのことでした。

注意

ひろのさん自身、当時は目の前の目的もなく漫然と働いていたことを今になって悔やんでいると振り返っています。「唯一の救いはきちんと貯金していたことだった」というのが本人の実感です。

同僚たちの使い方を見て感じたこと

一方で、同じ職場の女の子たちの中には、会うたびにネイルが変わっていたり、持ち物がブランドずくめだったり、送迎で自宅ではなく繁華街で降ろしてもらう子もいたと、ひろのさんは振り返ります。

日中の会社員では手にできない金額を持つことになるぶん、財布のひもが緩みやすい環境ではあったのだろう、とも。

別の先輩・ほのかさんが語る「日払いの魔力」

ここからは、別の店舗型ヘルスで働いていた先輩・ほのかさんの話です。

お仕事を終えてスタッフから受け取る封筒、その帰り際の感覚を「何年この仕事をしていてもすごい力を持っている」と表現しています。

忙しい日はその分お給料も増え、予定より多く稼げた日は友達と飲みに行ったり、欲しかったコスメを買ったり。それが毎日でもできるのが日払いのメリットだと言います。

嫌な客について「もう今日で辞めてやる」と思っても、日払いでもらった額が多いと「まぁいいか」と思ってしまう。

お店やスタッフに不信感を抱いたときにあっさり辞めやすいのも、日払いならではだとほのかさんは振り返っています。

「また出勤すればいいや」で緩む財布のひも

ただし、いい面ばかりではありません。毎日ちょこちょこと入ってくる分、月に一度まとまってもらうより貯まりにくい傾向がある、とほのかさんは指摘します。

「また出勤したらお金入るしいいや」と気が大きくなり、帰り道に無駄遣いしてしまう――本人もその一人だったそうです。

けれど、次の出勤で必ず客がつくとは限りません。その日に限って坊主(客がつかない日)ということもある。

友達と旅行の約束をしていても、生理休暇もあれば毎日出勤するわけでもないため、貯金がなければ約束の日までにお金を用意できない場合もある、という当時の実感です。

ポイント

ほのかさんの知り合いの女の子がやっていた工夫です。出勤してお給料をもらうたびに、帰り道のATMへ。

例えばその日の給料が32000円なら、1万円札(諭吉)だけを入金し、1000円札は財布に残す。

これが結構貯まるらしく、当時ほのかさんも「貯めたい人にはおすすめのやり方」だと感じていたそうです。

「卒業する時には全財産数万円だった」

ほのかさんは日払いで働いたこと自体は良かったと振り返る一方で、長く続けていたにもかかわらず、卒業するときには全財産が数万円だったと当時を振り返っています。

出勤してお給料をもらい、帰りに友達や同僚と飲みに行ったりボウリングに行ったり――楽しかった日々だったからこそ、貯まらなかったのも事実だった、というのが本人の総括です。

まとめ:貯まる・貯まらないを分けるのは「先に取り分ける仕組み」

ポイント

ひろのさんとほのかさん、日払いという同じ土台で働きながら、たどり着いた先は対照的でした。

差を分けたのは、意欲や我慢強さというより「もらった時点で一部を先に別枠へ動かす仕組み」を持っていたかどうかです。

ATMに入金する、口座を分ける、やり方は何でもいい。稼いだ額そのものより、手元に残る額を自分で決めておくことが、後悔しない使い方の土台になります。