人気が出ると、手取りもお店の評価も上がります。でも先輩がやっていたことは、特別なテクニックではありませんでした。清潔感を保つこと、礼儀を崩さないこと、そして「特別感」を小さく使うこと。この3つだけです。

中でも「特別感」は使い方を間違えると危険にもなる、扱いに注意がいるものでした。

まず、人気が出ると何が変わるのか

心掛けの話に入る前に、なぜそれをやる価値があるのかを先に共有します。先輩が実際に感じた変化は3つでした。

  • お給料が増える。 お気に入りの子がいないお客様に、お店が「おすすめの子で」と案内しやすくなり、単純にお仕事の本数が増える
  • 予約が取りづらい子ほど、一度会ってみたいと思うお客様が増える。 人気の理由を勝手に想像してもらえるので、期待値が上がった状態で会ってもらえる
  • お店からの評価が上がる。 出勤すれば電話が鳴る=お店の売上に直結する存在になり、待機中の仕事を優先的に回してもらえたり、バックが上がったりする

先輩は未経験入店で、AV出演歴などのアピール材料もない状態からのスタートでした。それでも在籍2か月ほどで本指名が増え、バックが上がったといいます。

特別な経歴がなくても、日々の心掛け次第で変わるということです。

注意

評価が上がっても、天狗にならないこと。お客様やお店への感謝が薄れると、サービスが雑になり、良い流れは長くは続きません。

お店と自分は対等なビジネスパートナーである、という感覚を保つことが前提です。

心掛けその1:清潔感は、何本目の仕事でも同じレベルで

清潔感がある人と過ごすのは、単純に気分が悪くなりません。逆に不潔なお客様に当たると気分が下がるのと同じ理屈です。

ムダ毛やにおいのケアはもちろんですが、先輩が働いていて感じたのは「お客様は髪をよく見ている」ということでした。

カラーの色みより、髪の傷み具合を見ているお客様が多かったそうです。

シャワーを浴びてからのサービスが基本なので体のにおいの心配は少なくても、その日何本目であっても同じレベルの清潔感を保つ——これが、地味だけれど土台になる心掛けでした。

心掛けその2:礼儀とマナーは、対等な関係を保つための道具

何度も会ったことのあるお客様にも、最低限のマナーは崩さない。「親しき仲にも礼儀あり」を先輩は徹底していました。

普通の敬語を使い、言い回しを少し丁寧にする——それだけで、初対面のお客様に感心されることが多かったといいます。金髪でも黒髪でも、その反応は変わりませんでした。

ここで大事なのは、礼儀は「へりくだる」ためではないという点です。先輩は、お客様と風俗嬢は対等だと考えていました。

サービスをするのは女性側でも、そのサービスには代金が発生している。

お客様がお金を出しているから偉い、若い自分がサービスしてあげているから偉い、どちらの発想も取っていませんでした。

もちろん神客と痛客とでは、感謝したい気持ちの比率は変わります。それでも先輩は「プレイの質に差だけはつけない」と決めていました。

金額が同じなのに明らかな差をつけられたら、自分が客の立場でも嫌だと感じたからです。

その代わり、よくしてくれるお客様には自然と感謝の言葉が増え、小さなお返しをすることもあったといいます。

ポイント

礼儀とマナーは「誰にでも平等に」、感謝や特別感は「よくしてくれる人により厚く」。この2段構えが、対等な関係を崩さずに人気につなげるコツでした。

心掛けその3:感謝の気持ちと「特別感」——二度目を大切に

3つ目が、この記事でいちばん扱いに注意がいる心掛けです。

一度目に会ったときの印象も大切ですが、先輩がより重要だと感じたのは二度目でした。

二度目は「今後リピーターになってくれる可能性が高いお客様」に変わるタイミングだからです。

ここで「もう二度目だから」と気の抜けた接客になると、お客様はがっかりして三度目にはつながりません。

そこで効いてくるのが「特別感」です。特別感とは、お客様に対して「あなたのことを覚えている」と伝えることで生まれる、お金をかけない好印象のこと。

何度か会う回数が増えると、お客様も女の子に対して「こんな人」というイメージを持ちます。

2回、3回くらいはまだ飽きが来ず、むしろ新しい面が見えて興味がわく時期です。

特に、短期間で会う頻度が高いお客様や、長年よくしてくれているけれど関係がマンネリ気味なお客様に対して、特別感は有効に働きました。

具体的にはこうしていた

先輩は「特別感を出そう」と意識してやっていたわけではなく、もともと顔や会話を覚えるのが得意だったといいます。それでも、やっていたことは具体的です。

  • 二度目に会ったとき、一度目に話した内容や利用したホテルの地名などをさりげなく話す。 些細なことを覚えていただけでも、お客様は嫌な気分にはならず、むしろ喜んでくれた
  • すべてを覚えていなくても、お客様が話す言葉から手がかりを引き出して思い出す。 完璧に記憶している必要はなく、探り探りでも成立した
  • 会う間隔が空いたときは、体調を気づかう一言を添える。 存在を忘れていなかったことが伝わるだけで、嫌味のない特別感になる
  • 嫌なお客様に遭った話を軽く出すこともあったが、最後は必ず「そんなことをしないあなたは素敵」で締める。 愚痴で終わらせず、目の前の相手を立てる形にすることがポイントだった

特別感を多用したときの危険

ここが、先輩が強く警告していた部分です。特別感の延長線上には「色恋営業」——恋愛感情を匂わせる接客があります。

使ってもらえる金額や時間は増えますが、長くは続きません。「付き合う」という次のステップを相手が期待し始めるからです。

風俗というお仕事の性質上、疑似恋愛を求めるお客様は決して少なくありません。

遊び慣れていないお客様の場合、特別感をすべて本気に受け取り、「彼女と付き合っている」と勘違いしてしまうことがあります。

最初は風俗という仕事を理解して通ってくれていても、だんだん独占欲が出てきて、「辞めてほしい」と言い出すこともある。

先輩と同じ店舗にいた女性は、勘違いしたお客様をNGにしたところ、ストーカー化し、誹謗中傷を受けて最終的に働けない状態にまで追い込まれたそうです。

特別感は、痛客や、NGにしたいと思っているお客様には使わないほうがいい——先輩はそう線を引いていました。

注意

特別感がエスカレートして、しつこい連絡や店外への強い誘い、SNSでの詮索など「おかしい」と感じる動きが出たら、それは危険信号です。

一人で抱え込まず、早い段階でお店に共有してください。安全のための情報共有は、決して大げさではありません。

まとめ:特別なことより、崩さないことが人気をつくる

ポイント

先輩が心掛けていたのは3つだけです。①清潔感を、何本目の仕事でも同じレベルで保つ。②礼儀とマナーで、お客様と対等な関係を崩さない。③感謝の気持ちを込めて、二度目のお客様を「特別感」で大切にする。

ただし特別感は、痛客やNGにしたいお客様には使わない。多用は自分にもリスクが跳ね返ってきます。

一日や二日で急に人気が出ることはありません。地味な積み重ねの先に、いい流れやいいルーティンが乗ってくる——先輩はそう振り返っていました。

特別なキャラクターや経歴がなくても、崩さずに続けられることから始めれば、道は開けます。