先に結論を言います。この仕事には、よかったことも、よくなかったこともあります。どちらも本当です。

デリヘルで働いた先輩・ぺぺこさんが、働いている間と辞めてからの両方について、良い面と悪い面を同じ重さで振り返ります。

働いている間によかったこと

まず、働いている間に良いと感じたことです。

同年代より収入が得られたこと。 同世代の会社員と比べても収入面では自分のほうが稼いでいましたし、同世代のフリーターの友人の生活を見たときには「きつそうだな」と感じたそうです。

コンスタントに出勤していればお金に困ることはなく、貯金をしても同世代よりいい生活ができました。

時間の融通が利いたこと。 昼間の仕事だと最低8時間は拘束されるうえ、残業や持ち帰り仕事もありますが、デリヘルの仕事にはそれがありません。

自分の予定や体調を優先でき、美容や通院といった自分のメンテナンスに一番時間をかけられた時期だったといいます。

人脈が広がったこと。 水商売と似た面がありつつも、自分の睡眠時間を削ってまで相手に合わせる必要が少ないのが決定的な違いでした。

普段は会えない世界の人と話し、お店が高級になるほど、来店する方も違う世界の人が多くなったそうです。

そして、女性としての美意識が上がったこと。

身体を見せることが料金やバックに直結する仕事だからこそ、ダイエットやネイル、ムダ毛ケア、肌のケアなど、細かな部分まで意識が向くようになったといいます。

ポイント

働いている間の良かったことは、どれも「時間とお金の余裕」から生まれています。

裏を返せば、その余裕が仕事を続ける理由にもなりやすい、ということでもあります。

辞めてからもよかったこと

辞めたあとになっても良かったと感じることもありました。

会話の引き出しが増えたこと。 仕事のことは周りに話していなくても、お客様から教えてもらった知識に軽く触れる程度で、同世代より経験の幅が話題として役立ったといいます。

若いうちにいろいろな経験ができたこと。 時間の融通が利き、収入もあり、体力もある時期に、興味のあることを一通り経験できました。

旅行にも行けましたし、女性は結婚や家庭に入ると独身の頃のような自由な時間を持ちづらくなる分、しがらみのない時期を有意義に過ごせたのはよかったと振り返っています。

男性に対して過度な期待をしなくなったこと。 いろいろなタイプの男性の相手をし、性癖の幅も見てきた分、恋愛でも変に傷つきにくくなったといいます。

相手に喜ばれるリアクションがわかるようになったこと。

初対面の相手と二人きりの空間で、少しでも気に入ってもらう工夫を重ねた経験が、しぐさや気配りとして自然に身につき、人間関係全般で役立っているそうです。

働いている間によくなかったこと

一方で、良くなかったこともきちんと書き残します。

収入が上がりすぎて、普通の金銭感覚を保てなくなったこと。

風俗業界は18歳から働けますが、お金の価値や使い方をまだよくわかっていないうちに収入だけが急に上がると、身にならないまま浪費してしまう。

ぺぺこさん自身、当時は「今思えば無駄遣いだった」というお金の使い方をしていたと振り返っています。

自分にとってのメリットが、お金かどうかで決まってしまったこと。

気づかないうちに仕事優先の「仕事脳」になり、お金が発生するかどうかで物事の優先順位を決めてしまったこと、そのせいで友人関係をおろそかにしたことがもったいなかったといいます。

仕事を周りに話せず、詮索されたくなくて会うのを避けがちだったことも重なりました。

一種の男性不信になったこと。

自分に稼ぎがあり生活にも困らず、接する男性は基本的にお客様のみという環境で、「男性は仕事のためには必要だけど、それ以外では面倒」と感じるようになった時期があったそうです。

注意

「収入が上がりすぎて金銭感覚が保てなくなる」という悩みは、この保健室に寄せられる体験談でも繰り返し出てくるテーマです。

稼げている間は問題に見えなくても、辞めるときや辞めたあとに響いてきます。

日払い・手渡しの収入ほど、意識して距離を取る工夫が必要です。

辞めてからよくなかったこと

辞めたあとに響いてきたこともあります。何かあると出戻りを考えてしまうこと。

目標を達成して一度は辞めたものの、金銭面で不安になったり欲しいものがあったりするたびに、あのころの収入が恋しくなったといいます。

出戻りたいわけではないのに、何度も考えてしまい、実際に一度、出戻った経験もあると振り返っています。

辞めてからの期間が開くほどその考えは薄れていくものの、辞めた直後はよく頭をよぎったそうです。

ずれた感覚が消えないこと。

生活を普通に戻すことや見栄を張らないことはすんなり慣れても、「これは60分の手取り何分ぶん」「平均の日当でいうとこれくらい」という換算のクセだけは、頻度は減っても時間が経った今もふとした瞬間に出てくるといいます。

異性に対して冷めて客観視してしまう自分が残ったこと。

好意のない相手を仕事として演じてきた分、辞めたあとも知り合って浅い相手には無意識に「仕事モード」で接してしまい、気楽に話しているように見えて実は距離を置いて見ている自分がいたそうです。

まとめ:どちらも本当。だからこそ自分で決めていい

ポイント

よかったこととよくなかったこと、どちらも同じくらい本当です。

この仕事が「良い」か「悪い」かを、誰かに決めてもらう必要はありません。

自分にとって何を得て、何を手放すことになるのかを知ったうえで、働くかどうか、続けるかどうかを、自分のペースで決めてください。